一、癸巳日柱の要点・十神クイックビュー・格局の傾向
日柱構成:癸水日主、地支は巳火。巳の中には丙火(財)・庚金(印)・**戊土(官)**が蔵され、ひと柱に財・印・官が同座。情報量が大きく、月令(季節)の寒暖・燥湿と命式全体の強弱で取用を決めるのが原則。古説で癸水は「陰中の陰」。性は柔らかく潤い、浸透性に優れる。金で水源を開き、火土が度を越さぬと成事しやすい。
核心イメージ:「涸れ川の水」。吉凶の固定ではなく注意喚起:局中の金が弱く水源が浅いのに火土が強過ぎると乾きを感じやすい。逆に金水が相生し、土が堤となって貯水できれば、むしろ大きく長く活かせる。
方法論の注意:命を論ずるときは月令を提綱とし、まず寒暖・燥湿を調える(調候)。その上で喜忌・用神を定める。神煞名だけで判断し、五行の生剋制化を無視するのは禁物。
十神クイックビュー(癸水を日主とする)
- 官殺(戊・己土):規範・ポジション・プレッシャーの源。身弱で官殺過多は束縛多く、身旺で官が整うと名位を立てやすい。
- 財(丙・丁火):資源・マネタイズ。身弱で財旺は「見財化労」。身旺で財は市場拡大に有利。
- 印(庚・辛金):学歴・資格・後ろ盾・貴人。身弱は印を喜び、身旺は印過多で停滞しやすい。
- 食傷(甲・乙木):アイデア発信・プロダクト力。身旺+食傷はコンテンツ/R&D/デザインに強み。
- 比劫(壬・癸水):同輩・チーム・粘り。身旺の比劫は援護、身弱の比劫は奪財に注意。
格局の傾向(よくある局面)
- 坐下に財・印・官が同現:資源(財)×資格(印)×位置(官)が同時に揃い、機会は多いが取捨が難しい。
- 局が燥熱寄り(火土多)→ まず水/金で源を開き潤し、次いで木で才を発揮(洩秀)。
- 局が寒湿寄り(水金多)→ まず火/土で温め安定させ、さらに金で水源を回して通す。
求めるのは中庸であって、単純な旺衰の競い合いではない。
二、四季(月令)別の運勢(寅卯辰|巳午未|申酉戌|亥子丑)
ここでは季節の総論のみ。実際の吉凶は、命式全体の強弱・通関・大運流年との組み合わせで判断。
春(寅・卯・辰|木旺)
大勢:木旺で癸水の気が洩れて頭の回転が速く、アウトプットが増える。印(金)が足りないと「アイデアは多いが実装が弱い」。
仕事運:コンテンツ制作/ブランディング/プロダクト企画/教育/ユーザーグロースなど発信型に適性。庚辛の印が通ると学術・コンプラ・資格の線で「知識のマネタイズ」へ。
結婚運:表現が滑らかで人望も得やすい。食傷過旺で官を犯すと、ルールやコミットへの意識が下がりがち。境界とリズムを。
健康運:肝・目・筋の張り、思考過多。木の洩れ過ぎは運動・睡眠の規律で整え、腎水の本を守る。
夏(巳・午・未|火旺)
大勢:財星が当令で資源・現金化・露出が伸びる一方、火旺は燥を招き癸水が「涸れ」を感じやすい。水源補給と速度管理が鍵。
仕事運:営業・マーケ・BizDev・広告運用などフロントに好機。庚金の印が通り「金生水 → 水制火で財を取る」形になると、専門性で高単価・交渉力を確保。
結婚運:華やかで社交が増えるが、テンポが速くなりがち。スピードより安心感と誠実な対話を重視。
健康運:心血管・内熱・水分代謝に留意。調候の主眼は「水で潤し、金で源を開く」。
秋(申・酉・戌|金旺)
大勢:印星旺で身を助け、学歴・資格・貴人に恵まれる。癸水は金生を受け源が充実し、判断は理性的。
仕事運:金融リスク/監査コンプラ/研究・特許/エンジニアリング/データ分析などの専門職が有利。さらに財(丙丁)が透けば商業化も兼備し、マネジメントや案件主導へ。
結婚運:印旺で心理が安定、学歴や価値観の一致を重視。印過多は慎重・保守に寄りやすいので、儀式感の演出で温度を上げる。
健康運:金の燥で皮膚・呼吸器が敏感に。水木で整える(十分な水分・ストレッチ・屋外活動)。
冬(亥・子・丑|水土並見)
大勢:水旺で身強、行動力・耐圧が増す。官土も強いのに通関が無いと責任負荷が上がる。身強は食傷で洩すと力が功に化ける。
仕事運:戦略設計/提案書/プロダクト方針が得意。官(土)が適度なら管理職でSOPとリズムを定められる。土が過多だと雑務・背責が増えるため、木(創新・委任)で疏通。
結婚運:冬の水は深情・内向で長期戦に強い。官土過重なら家庭責任の圧が増すため、役割分担の対話を。
健康運:寒湿が強く、腎水×脾土の絡み(代謝・循環・浮腫・冷え)に注意。調候は丙丁で温め、戊己で安定。
三、四季の喜忌・要点まとめ
- 春生:**印(金)**で源を補い、**食傷(木)**で才を発揮。散漫・未着地に注意。
- 夏生:まず燥熱を鎮める——水/金で源を開き潤してから財を用いる。見財化労・衝動決定に注意。
- 秋生:印旺生身で資格・昇進に追い風。印過多の停滞は食傷の洩しで「専門×発信」の循環へ。
- 冬生:身旺なら食傷で疏洩、あるいは官で秩序化。局が寒すぎる時は丙火でまず調候してから取用を論ずる。
✨ 注意:日柱だけでは一部しか分かりません。正確な鑑定には命式全体(年・月・日・時)のバランス確認が必要です。より自分に即した解釈を求める方は、AI命理サービス hifortune.ai をお試しください。